Dec 28, 2013

「海の中から見る辺野古」(2009年 YWCA沖縄ニュースレターより再掲)

「海の中から見る辺野古」       

みなさんは、「アオサンゴ」をご存知でしょうか?
アオサンゴというのは鮮やかな青色の骨格を持つとても美しく日本では珍しいサンゴです。2007年の秋に辺野古岬の北、大浦湾で大規模な群落が発見され、調査が行われてきました。
 私は琉球大学の一回生で、海洋科学を専攻しています。昨年の春、沖縄にきてダイビングをはじめ、毎週海に行っています。特にサンゴ礁に興味を持っていて、昨年の9月に行われた大浦湾での調査に参加しました。
 そこで、大浦湾のすばらしい自然について、辺野古について考えたことを伝えさせて頂きたいと思います。

触手をのばしているアオサンゴ
私は、2008年9月21日、沖縄リーフチェック研究会ほか共催による、大浦湾でのサンゴ礁の調査「リーフチェック」に飛び入りで参加させていただきました。初めて訪れた大浦湾は、静かで自然のままのほんとうに美しい海でした。ティーマ漁港から船で南東へ約2kmほど行ったところ、辺野古のキャンプがちょうど向かい側に見えるあたりに、アオサンゴの群落はありました。船をとめ、海へと飛び込んだ瞬間、今まで見たこともないような光景が広がりました。一面に広がるアオサンゴと群がる小さな魚たち。こんなに大きく一面に広がるサンゴを見たのは初めてでした。青色を予想していた私は、実際は茶褐色で木の枝のような凹凸をした形をしているのに驚きました。

しかし、その先端が折れた断面の中心に鮮やかな青い骨格を持っているのでした。1つ1つの枝からでるたくさんの小さな白い羽のような触手がでたりひっこんだり、周りを泳ぎまわる小さな魚と一緒にゆれていました。幅約30m長さ約50mにわたって崖沿いに複雑な地形で広がるアオサンゴのまわりにはクマノミをはじめとするたくさんの魚が見え隠れしてあそんでいました。

さらに驚いたのは、群落の周囲は貝殻や砂、珊瑚の死骸が散らばるガレ場だったことです。その一角だけにサンゴ群落が広がりたくさんの生き物がいたのです。私はその美しさに、ただただ見とれて、いつまでもいつまでもそこにいれたらな、このきれいな海をずっと残しておきたいな、と思いました。
 船へあがり、建設予定の新基地のことを考えて、心が痛くなりました。なぜこの場所につくらなければならないんだろう…と。基地をつくってしまえば、環境は変化しサンゴも魚たちもそして、ジュゴンも大きな影響を受けるでしょう。一度破壊されてしまうと元に戻すことはとても大変です。もう、戻せないかもしれません。
 
 辺野古をはじめとして、沖縄の海の多くが環境破壊の危機にさらされています。一人一人ができることは少ないかもしれません。しかし、まずは周りで何がおこっているのか、知ろうとすることが大切なのではないかと思います。辺野古の沖縄の、海の美しさ素晴らしさを、一人でも多くの人に知っていただけたら、いつまでもそのままに残していけたらな、と願います。
 
(2009年1月)


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昔書いた記事ですが、再掲します。

沖縄県、辺野古・大浦湾の生物多様性ついては、WWFレポートが詳しいです。

2013年3月にダイビングに行った時の記録はこちら。

政治的・軍事的な情報に関しては、いろいろな立場の人がいろいろなことを言っているのでここには、載せないことにします。


2013年12月27日以降、いろいろと事態が動いていますね。
沖縄には6年住んでいてとても大切に思っているし、基地も身近にあるし、何度も関連した議論には参加しているけれど、こういう時に、いつも「外部者」としてみてしまって、自分の意見が持てないのがいつももどかしいです。
断言して、意思表示するのを避けたいだけかもしれない。
無意識にあきらめているのかもしれない。

今の考えがまとめられたらまた書きたいと思います。

ではまた!