Mar 25, 2018

読んだもの見たもの2018冬

読んだもの、見たもの記録だけ。


18/03/25 
自動人形の城
自動人形の城
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東京大学出版会 (2018-03-20)
売り上げランキング: 27,990
小説形式で、人工知能による自然言語理解の課題を表現した本。
「人形」を使って、言葉を理解させていく過程がわかりやすい。こそあど言葉による指示をどう機械が理解するか、などの基礎的な課題から始まり、「罪悪感」や「笑い」をどう理解するかといった疑問まで含まれていて。自分の日常を振り返っても考えさせられる。
”「目的」が伝わらないんだよ。”
人間でも目的を伝えられていない人はどこにでも居る。目的の無い仕事を続けるのは、まるで機会のようだと思ってしまう。
”自分が「理解した」と思ったことをうまく伝えられなかったことを、残念に感じた”
頭で理解したと思ったことは、表現してみないと本当に理解しているのか、他の人が理解できるように表現できているのか、分からない。インプットして、理解して、アウトプットする。そしてアウトプットを受けた人がそれを理解したか、理解できるように伝えられたか、フィードバックを受ける。その一つひとつが、「考える」ということだと思う。日常生活で、あまりに「考える」機会が失われていて、まるで機械みたいだ。考えて、表現して、フィードバックを受ける。それが生きる喜びの一つだと思う。
"自分のために生きられない人間が、他人のために生きられるはずがない"
よく聴く言葉だけれど、「自分の意思と価値観をはっきりと意識していなければ、他人のために働くことなどできません。」という言葉は、人形と比較すると明らか。自分の意思と価値観が揺らぐような経験を積み重ねながら形作られていくのが、その人の人間らしさ、なんだと思う。自分の意思と価値観を意識するから、望まない意思と価値観が明らかになるし、望まない意思と価値観を強制させられる環境に長く身を置くことは、人間らしさを奪われていくように感じる、のではないかと思う。

人工知能技術のトレンドが変わってしまう前に読みたい本。

18/03/24 映画
ムーラン・ルージュ (字幕版)
(2015-09-24)
売り上げランキング: 1,517
ニコールキッドマン素敵。ギラギラした装飾も好き。ムーラン・ルージュでインドのイメージが浮かぶのはこの映画のせいだ。途中完全に喜劇。

18/03/16 映画
ココ・アヴァン・シャネル (字幕版)
(2013-11-26)
売り上げランキング: 19,924
オドレイ・トトゥ美しい。Cocoは戦った人だった。かっこいい。そして美しい。

18/03/13
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
カズオ・イシグロ
早川書房
売り上げランキング: 1,826
結末を知らずに読みたかった。生存することの意義。

18/03/11
好きなこのシリーズ。最近ちょっとマンネリ感あるけど、軽くて楽しい。考えちゃうキガタサリノが切な可愛い。

18/02/20
玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ
木下 龍也 岡野 大嗣
ナナロク社 (2017-12-19)
売り上げランキング: 11,710
短歌集。心地良い混乱。もう一度読もう。

18/02/07(アニメ)
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Blu-ray Disc BOX:SPECIAL EDITION (特装限定版)
バンダイビジュアル (2015-12-24)
売り上げランキング: 10,650
これの感想は別記事で書いた。

18/02/03

もしもし、運命の人ですか。 (角川文庫)
KADOKAWA / メディアファクトリー (2017-01-25)
売り上げランキング: 85,982
引き続き恋に疲れている。穂村弘、初めて読んだけど、ひたすらにチャラいな。
「年下も外国人も知らないでこのまま朽ちてゆくのか、からだ      岡崎裕美子」

18/02/02
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち
太田出版 (2017-02-17)
売り上げランキング: 39,583
沖縄の中部エリアで生きる少女の話。こんな風に入りこんで、話を引き出せるひとって、そう居ない。すぐとなりあった現実。でも知らなかった現実。夢中で読んだ。

18/01/27
AIが変えるクルマの未来
AIが変えるクルマの未来
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NTT出版 (2018-02-22)
売り上げランキング: 53,248
自動車業界の人必読。

18/01/15(アニメ)
わかりやすく深みがあって良い。実物を見に行きたくなる気持ちを掻き立てる力がすごい。

18/01/13
ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)
祥伝社 (2013-06-07)
売り上げランキング: 69,055

18/01/11
ニシノユキヒコの恋と冒険
ニシノユキヒコの恋と冒険
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川上 弘美
新潮社
売り上げランキング: 548,127

18/01/08
すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)
講談社 (2014-11-14)
売り上げランキング: 60,495

愛と美について
愛と美について
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(2012-09-27)
この頃、恋に疲れていた。

(映画)
秒速5センチメートル
秒速5センチメートル
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(2014-12-19)
売り上げランキング: 852
空と光の美しい映画。こういうストーリーが心に響ききらなくなってもうどれくらいになるのだろう。現実は、小説よりも美しくて醜い。どこかで見た、あの時の現実が、もうずっと遠くなってしまった悲しさ。

18/01/06 
「本を読んで得られる最も重要なことは、「本が面白い」ということ、「読むことが楽しい」ということ」という一文に救われる気がした。ゆるっと、でも少しがんばって、でも楽しく生きたいときのヒント。

18/01/01
(映画)
プラダを着た悪魔 (字幕版)
(2013-11-26)
売り上げランキング: 17,566
スピード感、どんどんキレイになる主人公、素敵な服、そしてエンディング。とても好き。

Mar 4, 2018

鑑賞記録 2018冬


2018年1-2月に鑑賞したものの記録。

美しい絵本をつくるインドの工房で、「世界を変える美しい本」という、
tarabooks が作っている絵本を紹介している本を手に入れてから気になっていた展覧会。

世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦


  • 1/6 @沖縄県立博物館・美術館
博物館は好きで、何回か行ってたけれど美術館には初めて行った。東南アジアと沖縄の強いつながりを感じる展示。

  • 1/14 南方熊楠展@国立科学博物館
南方熊楠は、沖縄や日本各地の文化人類学者だと思っていたんだけれど、最強きのこオタクだった。
サンプル採集の方法の現代との比較や、採集しまくった情報をどのように関連付け整理しようとしていたかを、展示していて面白かった。
熊楠もまさか100年後に自分のマインドマップを解析されると思ってなかったんじゃないかな。

玉田企画「あの日々の話」アフタートークは山下敦弘さん(映画監督)
気になっていた北千住BUoYへ。 不思議と心地良い空間。
すごく久しぶりに演劇を見た。「あの日々の話」は、まさに私にとっての学部時代のあの日々にどこかで見たようなシーンばかりで、はじめ不快なくらいのいたたまれなさだった。カラオケに出てきた曲も、登場人物の特徴もあの日々に見た気がするようなものばかりで、以外と自分の学生生活は意外と特殊なものでもなんでもなくて、世代で共通するような要素が散りばめられていたんだなと気づいた。当時、渦中に居ながら苦しんでいたようなことも、こうやって劇化されると最後は笑えてしまって、時間の経過を改めて感じてしまった。映画化されたらまた見に行きたいかも知れない。

テキスタイルと刺繍が好きなので。美しい映画だった。
良い服を一つ、大切に長く着たいと思った。

音楽が好きで。俯きがちな日常に、前を向く力をくれる映画。


滝田ゆうという漫画家を実は全然知らなかったんだけど、たぶんどこかでは見たことがあったはずだけど。やっぱ下町の空気感すきだなぁ。ごく短い期間の限られた場所でしか過ごしていないけれど、もっといろいろな場所や人を知りたくなる。
竹久夢二は、今見てもすごく素敵でオシャレ。きっとおばあちゃんが若いころ流行っていたのかな。
高畠華宵も知らなかったんだけど、描く女性の目つきがみんな魅力的。

国際サンゴ礁年2018 の関連のイベントで。
Netflix作成のドキュメンタリーですが、なかなか心にささる映画だった。
感想はまた別途。


寒いの苦手な冬。そして新しい環境に入ってから3年目の冬。
文字通り、倦んで弛んで、前にも進めず、後ろにも戻れず、なかなかしんどい停滞した日々を送っていますが、好きなもの見に行けてるのでまだ良いかな。暖かくなって焦るけど、倦まず弛まず進んでいきたいところです。





Feb 10, 2018

タチコマかわいいよ、タチコマ

勧められて「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を見たので感想書いてみます。つきなみだけど。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Blu-ray Disc BOX:SPECIAL EDITION (特装限定版)

こういう、SF系?アニメを最初から最後までちゃんと見たのは初めてかもしれない。
テキスト(小説)で十分にいつも想像ができる気がしてたんだけど、アニメーションで見るとリアルさが増して、刺激的で良かった。

  • とりあえずまず、タチコマ
タチコマ見るために、このアニメみたようなもの。
タチコマ、かわいいね。お家に手のひらサイズで一個欲しい。たくさん居るのに、並列化(?)されているはずなのに、みんなちょっとずつ違うのかわいい。
以下、見てていろいろわかんないーってなったこと。

・なぜあの形なんだろう?めちゃくちゃアンバランスでは?
 本体は最終話みたら悲しくなっちゃうくらい脆いのに、後ろの人が入れる部分はまぁまぁ硬そうだから多分重いよね?さらにヒトが入ったらもっと重くなって重心点が胴体の外に出そう。1/2タチコマが実際に居るって聞いたけど、その辺ちゃんと動くようにつくるにはどうしてるのか気になる。
蜘蛛型(多脚型?)のロボットって時々イメージ図とかに出てくるけれど、どの辺が構造的に魅力なんだろう。「生き物は円柱形」って歌があるけど、やっぱ生き物どこ見てもだいたい円柱形だと思う。生物を模してロボットつくるなら円柱形+αぐらいが安定そう。なんで超例外的な蜘蛛型なんだ。。ルンバとか、pepperとか、まだみんな円柱形を脱してない。単純すぎると面白味と可愛さにかけるかな。

・記憶を並列化しているのに、個性出てるってどういうこと?
1人で9体分話分けてる声優さんすごい。個性が出てきたのは、"天然オイル”もらってからなのかな、それともその前から?でも天然オイルもらってたのは一体だけだから、その他の個体はどうやって個性がでてきたんだろう。この辺が、"STAND ALONE COMPLEX"のキーなんだろうけど、よくわからん。まぁAIがどう考えてるとかニューラルネットワークがどう答えを出しているかは到底理解できるわけないから、まぁそんなものか。。
でも、「存在」とか「死」とか「宗教」とかについて考えてるタチコマめっちゃかわいいくて、切なくてかわいいよ。人間だって何歳くらいになったら、存在意義とか宗教とかについて考え始めるんだろうね。私だってごく最近だよ、その辺のトピックが気になり始めたの。
  • そのほか、記憶にのこったこと
原作が1988年、多分まだインターネットが普及していないころで、windows95もない。アニメ化が2002年で、私はibookで遊んでたり、画面白黒の棒型のケータイだったりがあったくらいの、それぞれ30年とか15年近く昔なのに、なんだか割と実現していることや実現しそうなことが多くて違和感無く景色が見れて、逆に驚きだった。自分年取ったなって思っちゃった。
・公衆連絡端末?
一個だけ何話に出てきたか忘れたけど、「公衆連絡端末」?があるのが気になった。公衆電話の発展系なんだろうけど、今全然見かけないけど将来またそういう、公衆用のネットワーク用の物体?が街にできることってあるかな。スマホの充電切れるの怖くて、瞬速充電ステーションとか街中にあったら便利そう。だけど、瞬速で充電できる技術が実用化されるより、十分に持ちの良い電池が広まる方が早いかな。ケータイサイズの全固体電池と、コード無しに充電できる技術早よ。

・直感と発想とゴーストと好奇心と
電脳化とかニューラルネットワークとかAIとか、コンピュータと人間の違いは何なのかとか、今世間でも流行りだけど、SFとかコンピュータの世界ではもうずっとずっと前から、考えられていたんだなーと思った。”STAND ALONE CONPLEX”とか”ゴースト"とか、それが何を意味するか、一通り見てみたけど、よく理解しきれんかった。まぁ良いか。最後、「好奇心」がキーワードになっているのすごい好き。
社会人なって東京・つくばに来て3年近くになるけど、どうしても五感を閉ざすように生活してしまったり、与えられるがままに積み重なる仕事処理するばっかりで「考える」ことや「生み出す」ことが無くて、新しいことへの好奇心を失ってきちゃってたり、人間らしく生きてないなぁって最近ちょうど思っていたところだったから、最後のセリフにぐらっとしてしまった。

勧められてから見終わるのにだいぶ時間経っちゃったけど、めちゃ面白かったです。ありがとう!次、何見たらいい?やっぱ2nd GIG ?それとも押井守の方かな。

以下、余談。
仕事柄、AIやロボット技術の関連の情報をフォローしていると面白かったり、役に立ったりすることが多い。今まで手に取れる生き物ばかりに興味があって、無機物には興味なかった。だけど、全然関心なかった、手に取れない目に見えない情報技術とか、全然生命らしさを感じられないロボットとかに興味が湧いてきたから、コンピュータの基本的な原理を理解したい。だけど、なにせ高校の”情報”はテスト赤点だったし2進数の計算もまともにできないから、入門のハードルが高い。ゆるーく教えてくれる本とか動画とか無いかな。(と他力本願なこと言ってる時点でそこまで知りたい欲が無いってことか。)

ちなみにAI,情報関連で近年読んだ本はこのあたり。(少ない)
・森博嗣 Wシリーズ (新刊出てた!)



・児玉 哲彦 人工知能は私たちを滅ぼすのか―――計算機が神になる100年の物語
 (コンピュータの歴史を、聖書の話になぞらえて総ざらい)

人工知能は私たちを滅ぼすのか―――計算機が神になる100年の物語
児玉 哲彦
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 130,018

・中村吉明 AIが変えるクルマの未来:自動車産業への警鐘と期待
   (車に限らず一通り情報網羅。科学技術・政策的な観点からみたAIと車についても。)

AIが変えるクルマの未来:自動車産業への警鐘と期待
中村 吉明
エヌティティ出版 (2017-12-11)
売り上げランキング: 9,089