Mar 4, 2018

鑑賞記録 2018冬


2018年1-2月に鑑賞したものの記録。

美しい絵本をつくるインドの工房で、「世界を変える美しい本」という、
tarabooks が作っている絵本を紹介している本を手に入れてから気になっていた展覧会。

世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦


  • 1/6 @沖縄県立博物館・美術館
博物館は好きで、何回か行ってたけれど美術館には初めて行った。東南アジアと沖縄の強いつながりを感じる展示。

  • 1/14 南方熊楠展@国立科学博物館
南方熊楠は、沖縄や日本各地の文化人類学者だと思っていたんだけれど、最強きのこオタクだった。
サンプル採集の方法の現代との比較や、採集しまくった情報をどのように関連付け整理しようとしていたかを、展示していて面白かった。
熊楠もまさか100年後に自分のマインドマップを解析されると思ってなかったんじゃないかな。

玉田企画「あの日々の話」アフタートークは山下敦弘さん(映画監督)
気になっていた北千住BUoYへ。 不思議と心地良い空間。
すごく久しぶりに演劇を見た。「あの日々の話」は、まさに私にとっての学部時代のあの日々にどこかで見たようなシーンばかりで、はじめ不快なくらいのいたたまれなさだった。カラオケに出てきた曲も、登場人物の特徴もあの日々に見た気がするようなものばかりで、以外と自分の学生生活は意外と特殊なものでもなんでもなくて、世代で共通するような要素が散りばめられていたんだなと気づいた。当時、渦中に居ながら苦しんでいたようなことも、こうやって劇化されると最後は笑えてしまって、時間の経過を改めて感じてしまった。映画化されたらまた見に行きたいかも知れない。

テキスタイルと刺繍が好きなので。美しい映画だった。
良い服を一つ、大切に長く着たいと思った。

音楽が好きで。俯きがちな日常に、前を向く力をくれる映画。


滝田ゆうという漫画家を実は全然知らなかったんだけど、たぶんどこかでは見たことがあったはずだけど。やっぱ下町の空気感すきだなぁ。ごく短い期間の限られた場所でしか過ごしていないけれど、もっといろいろな場所や人を知りたくなる。
竹久夢二は、今見てもすごく素敵でオシャレ。きっとおばあちゃんが若いころ流行っていたのかな。
高畠華宵も知らなかったんだけど、描く女性の目つきがみんな魅力的。

国際サンゴ礁年2018 の関連のイベントで。
Netflix作成のドキュメンタリーですが、なかなか心にささる映画だった。
感想はまた別途。


寒いの苦手な冬。そして新しい環境に入ってから3年目の冬。
文字通り、倦んで弛んで、前にも進めず、後ろにも戻れず、なかなかしんどい停滞した日々を送っていますが、好きなもの見に行けてるのでまだ良いかな。暖かくなって焦るけど、倦まず弛まず進んでいきたいところです。





Feb 10, 2018

タチコマかわいいよ、タチコマ

勧められて「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を見たので感想書いてみます。つきなみだけど。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Blu-ray Disc BOX:SPECIAL EDITION (特装限定版)

こういう、SF系?アニメを最初から最後までちゃんと見たのは初めてかもしれない。
テキスト(小説)で十分にいつも想像ができる気がしてたんだけど、アニメーションで見るとリアルさが増して、刺激的で良かった。

  • とりあえずまず、タチコマ
タチコマ見るために、このアニメみたようなもの。
タチコマ、かわいいね。お家に手のひらサイズで一個欲しい。たくさん居るのに、並列化(?)されているはずなのに、みんなちょっとずつ違うのかわいい。
以下、見てていろいろわかんないーってなったこと。

・なぜあの形なんだろう?めちゃくちゃアンバランスでは?
 本体は最終話みたら悲しくなっちゃうくらい脆いのに、後ろの人が入れる部分はまぁまぁ硬そうだから多分重いよね?さらにヒトが入ったらもっと重くなって重心点が胴体の外に出そう。1/2タチコマが実際に居るって聞いたけど、その辺ちゃんと動くようにつくるにはどうしてるのか気になる。
蜘蛛型(多脚型?)のロボットって時々イメージ図とかに出てくるけれど、どの辺が構造的に魅力なんだろう。「生き物は円柱形」って歌があるけど、やっぱ生き物どこ見てもだいたい円柱形だと思う。生物を模してロボットつくるなら円柱形+αぐらいが安定そう。なんで超例外的な蜘蛛型なんだ。。ルンバとか、pepperとか、まだみんな円柱形を脱してない。単純すぎると面白味と可愛さにかけるかな。

・記憶を並列化しているのに、個性出てるってどういうこと?
1人で9体分話分けてる声優さんすごい。個性が出てきたのは、"天然オイル”もらってからなのかな、それともその前から?でも天然オイルもらってたのは一体だけだから、その他の個体はどうやって個性がでてきたんだろう。この辺が、"STAND ALONE COMPLEX"のキーなんだろうけど、よくわからん。まぁAIがどう考えてるとかニューラルネットワークがどう答えを出しているかは到底理解できるわけないから、まぁそんなものか。。
でも、「存在」とか「死」とか「宗教」とかについて考えてるタチコマめっちゃかわいいくて、切なくてかわいいよ。人間だって何歳くらいになったら、存在意義とか宗教とかについて考え始めるんだろうね。私だってごく最近だよ、その辺のトピックが気になり始めたの。
  • そのほか、記憶にのこったこと
原作が1988年、多分まだインターネットが普及していないころで、windows95もない。アニメ化が2002年で、私はibookで遊んでたり、画面白黒の棒型のケータイだったりがあったくらいの、それぞれ30年とか15年近く昔なのに、なんだか割と実現していることや実現しそうなことが多くて違和感無く景色が見れて、逆に驚きだった。自分年取ったなって思っちゃった。
・公衆連絡端末?
一個だけ何話に出てきたか忘れたけど、「公衆連絡端末」?があるのが気になった。公衆電話の発展系なんだろうけど、今全然見かけないけど将来またそういう、公衆用のネットワーク用の物体?が街にできることってあるかな。スマホの充電切れるの怖くて、瞬速充電ステーションとか街中にあったら便利そう。だけど、瞬速で充電できる技術が実用化されるより、十分に持ちの良い電池が広まる方が早いかな。ケータイサイズの全固体電池と、コード無しに充電できる技術早よ。

・直感と発想とゴーストと好奇心と
電脳化とかニューラルネットワークとかAIとか、コンピュータと人間の違いは何なのかとか、今世間でも流行りだけど、SFとかコンピュータの世界ではもうずっとずっと前から、考えられていたんだなーと思った。”STAND ALONE CONPLEX”とか”ゴースト"とか、それが何を意味するか、一通り見てみたけど、よく理解しきれんかった。まぁ良いか。最後、「好奇心」がキーワードになっているのすごい好き。
社会人なって東京・つくばに来て3年近くになるけど、どうしても五感を閉ざすように生活してしまったり、与えられるがままに積み重なる仕事処理するばっかりで「考える」ことや「生み出す」ことが無くて、新しいことへの好奇心を失ってきちゃってたり、人間らしく生きてないなぁって最近ちょうど思っていたところだったから、最後のセリフにぐらっとしてしまった。

勧められてから見終わるのにだいぶ時間経っちゃったけど、めちゃ面白かったです。ありがとう!次、何見たらいい?やっぱ2nd GIG ?それとも押井守の方かな。

以下、余談。
仕事柄、AIやロボット技術の関連の情報をフォローしていると面白かったり、役に立ったりすることが多い。今まで手に取れる生き物ばかりに興味があって、無機物には興味なかった。だけど、全然関心なかった、手に取れない目に見えない情報技術とか、全然生命らしさを感じられないロボットとかに興味が湧いてきたから、コンピュータの基本的な原理を理解したい。だけど、なにせ高校の”情報”はテスト赤点だったし2進数の計算もまともにできないから、入門のハードルが高い。ゆるーく教えてくれる本とか動画とか無いかな。(と他力本願なこと言ってる時点でそこまで知りたい欲が無いってことか。)

ちなみにAI,情報関連で近年読んだ本はこのあたり。(少ない)
・森博嗣 Wシリーズ (新刊出てた!)



・児玉 哲彦 人工知能は私たちを滅ぼすのか―――計算機が神になる100年の物語
 (コンピュータの歴史を、聖書の話になぞらえて総ざらい)

人工知能は私たちを滅ぼすのか―――計算機が神になる100年の物語
児玉 哲彦
ダイヤモンド社
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・中村吉明 AIが変えるクルマの未来:自動車産業への警鐘と期待
   (車に限らず一通り情報網羅。科学技術・政策的な観点からみたAIと車についても。)

AIが変えるクルマの未来:自動車産業への警鐘と期待
中村 吉明
エヌティティ出版 (2017-12-11)
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Jan 21, 2018

1月のカタブイ


2018年冬の沖縄。



「海の色は空の色」とよく言うのは事実だし、
冬の厚い雲に覆われた空と海は、青が薄くてただ寂しいだけだと思っていたけれど。
そんな日も、光や波の音や、風や空気の全てが、やっぱり好きだった。

冬のカタブイ。雨を切り撮るのは、私にはまだ難しい。
海岸へ出る前のこんな瞬間が一番わくわくする

こんな景色のすぐそばに居た日々が確かにあった
アマガイ、懐かしい。
どんな成長の仕方をしてきたんだろう。
久しぶりの晴れ間の朝に、日光浴の邪魔してごめん。
生活に色を取り戻す感覚。

唐突に現れる、神様の存在感

このポロシャツばかり着ていた20歳の頃。

ちょうど成人式、集落の皆が送りに来てる。

座間味村の成人式を覗きに。

約900人の座間味村で今年の20歳は15人居るそうです。
高校に入学するため皆15歳で島を出てしまうけれど。
15人の成人はそれぞれみんな違った道を歩んでいて、
ただ「20年間生きてきた」ということを、地域の人もみんなが喜んでくれる。
そんなことが外から見ていても、とても嬉しかった。

そして、式典の後は踊って踊って呑んで、そしてカチャーシーで締めるというのがさすが沖縄。

島が好きなのは、海という境界で分けられていて、
出会いと別れがあって、でもつながっていく。そんな感じが好きなのかもしれない。

特に港に入ったり出たりする瞬間が象徴的。
流体の中を回転する大きな船が、ぴったりの位置に止まるのもテンションが上がる。

船で働く人が好き。




おだやかで前向きな気持を思い出させてくれてありがとう、座間味島。

離島も好きだし、那覇の密集した場所もまた好き。 
奥の方から見られている。
曲がりくねった細道や、行き止まり、唐突に現れる石敢當。
方角の揃わないアパートや電線や配管。ビルの中に唐突に現れる空き地や平屋。
敷地から拡張する植木鉢や植栽、時には洗濯物。
10年前、初めて沖縄に住んだ時は、このぐちゃぐちゃな感じはなんなんだ!
ってもやもやとしていたけど、今となってはそのくらいの混沌があったほうが心地が良い。

那覇のohacorte. 好きな空間、美味しいごはん。




久しぶりに、1人で長い時間を過ごした沖縄滞在。
東京で、つくばで、ぐるぐると考えたり人と話したり動いたりしてみても
到底どうにもならないやと思っちゃうことも多いけれど。
こっち来てみると、そんなに内へ下へ考えなくてもどうにかなるかなぁと思わせる
不思議な雰囲気がありました。これが噂の「なんくるないさ~精神」か!
なんかただしばらく滞在しただけだけど、人間らしさを取り戻してきた感じがして、
幸せな時間でした。暖かいのやっぱいいな。