Jan 5, 2014

私が夢だった研究者にならない理由

新年、あけましておめでとうございます。
細々と続けているこのブログ、ついに3年目を迎えました。
いつも読んでくださる皆様、ありがとうございます。今年もマイペースで、でも去年よりはたくさん書いて生きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。+1とかしていただけるととても喜びます!

さて、新年早々なんだかパッとしない記事になっちゃいますが、ここ数ヶ月くらいずっと考えてきた「研究者にならないこと」についての考えをまとめてみました。まだ次にやりたいことは見つかっていないのですが、私の夢は「サンゴ礁に関わる研究者になる」ことでした。でも、もうならないことにしたので、そう決めるに至った理由と過程を(できるだけ前向きに)まとめてみようと思います。

私が夢だった研究者にならない理由

競争社会の中で勝てる見込みが無いと思ったから。
(競争に勝てないということは、研究者の世界の中でお金とポストが取れなくて、生きていけないことを意味すると思うから。)

勝てないと思った理由

1. 知識+技術の積み重ねが無い。
2. 研究対象そのものへの興味が薄い。
ちょっと長くなりそうだけど、研究者になろうと思った過程から始めます。

私は高校時代、知り合いの物理学教授のおじさんから「スズさんは研究者が似合うよ」とかってしょっちゅう言われてました。それでなんとなく、将来は研究者になるのかなーと大学入ったころは思ってました。また、理系に進んだら、当たり前に修士に行って、当たり前に研究者になるものと思っていた部分もあります。他のキャリアパスを知らなかったんですね。それで、大学1年の冬に「サンゴ礁に関わる研究者になる」ことを夢にして公言していました。

でも、(野外実習以外の)大学の授業は全然面白くなかったし、自主的にも勉強しませんでした。4年生になって研究室に配属されたけど、勉強してこなかったし、研究室に行かなかったせいで上手く行きませんでした。この時点で研究者は向いてないなと感じてました。でも、学業を挫折したままで終わらせたくなくて、両親も経済的な支援をしてくれたのでリベンジのつもりで大学院に行かせてもらっています。

大学院に入って分野のトップレベルの研究を近くで見せてもらって、学部時代よりたくさんの研究者に会いました。皆さん、自分の技術とアイディアで分野を切り開いていっている所とか、とてもかっこいいなって思ったけど、同時にやっぱ私は研究者になれないって気持ちが強くなりました。なぜそう思ったのか、なかなか理由がみつからなかったけど、最近やっと説明できるくらい明確になったのが上に挙げたことです。

理由:研究者の競争社会の中で勝てる見込みが無いと思ったから。


私が理解している範囲では、研究者というのは個人の技量が問われる競争社会だと思います。博士卒業後のポストを得るにも、研究資金をとるにも同じ分野の人と競争しないといけないです。お金とポストが取れなかったら、研究は続けていくのはなかなか厳しいことだと思います。

なぜ勝てないと思ったか: 

1.知識+技術の積み重ねが無いこと
2.研究対象そのものへの興味が薄いこと
(誰もまだしらない事を明らかにしたい、みたいな気持ちが無い、明確な答えが、終着点があるものを求めてしまうから)

1.知識+技術の積み重ねが無いこと

研究者として生きていくには、若いうちにその分野の先頭で引っ張っていける人になる必要があるのかな、と思っています。また研究を続けていくためにも、専門分野とその周辺分野の基礎知識を修士時点である程度しっかり持っている必要があると思いました。私は学部で勉強しなかったので、その辺が圧倒的に足りていないと言うことに修士になって気付きました。
また、なにかひとつでも"技術"を持っているととても強いと思います。できるだけ、汎用性が高くて分野を超えて応用の効くものだとさらに強いんじゃないかな。私は1年間、分析化学の研究室、1年半、生理生態学の研究室にいますがこれと言った技術が何も無いです。”知識+技術”、この二つの積み重ねがあって初めて新規性とかオリジナリティのある研究が始められるんだろうな、というのがここ最近の結論です。

2.研究対象そのものへの興味が薄いこと

結局、一番大きな理由はこれです。今、夢だったサンゴ礁に関わる研究のようなことをしていますが、熱中してどうしてもこういうことを知りたい! みたいになることが、ほとんどありません。まだ誰も知らないことを明らかにしたい! みたいな欲求があまり無くて、研究のモチベーションが探求心より承認欲求に偏っているんだと思います。(1.)の理由は意欲次第でどうにでもなりますが、研究続ける上で探究心が無いのは致命的だと思います。学部時代の先生に「研究に愛がないねぇ」と何度も言われたのはこういう意味だったのかー、と遅ればせながら理解しました。


おまけ:英語のこと、修論のこと、でもやっぱり研究者ってカッコイイと思うこと。

今、ハワイ大学に交換留学しています。そのなかで、英語ができないのは本当に不利だなと感じました。英語で読んで、書いて、議論するのに、圧倒的にスピードが遅い。そのスピードは直接情報のイン・アウトプットの早さに直結しますよね。世界中の研究者と競争しなければいけないなら、不利すぎて、どのポイントで勝負できるのかわからないと思いました。
でも、修論は納得いくものを書きたいです。あとたぶん約1年間あるので、センスが無いのは重々承知だけど、無い頭しぼって、楽しみつつ頑張ります。
そして、なんだかんだ言っても、組織の名前じゃなくて個人で、その人のアイディアと技術と運で生きてく研究者は、とてもカッコイイと思います。憧れます。

私は、得意な事を生かせる職業では無いなと思ったから、研究者になることを辞めました。研究者にはならないけど、今後もなにかしら関わって行きたいとも思います。

最後に、研究者を目指している大学院生は、逆に研究者を目指さない大学院生はどんな風に考えているのですか?

ここまで読んで下さった方、どうもありがとうございます。
けっきょくあんまり前向きになりませんでしたねー!
次はスキンダイビング行った時の明るい記事を書きますねー。

ではまた!

Dec 30, 2013

深海調査潜水艦はカッコイイ!Hawaii Undersea Research Laboratory

こんにちは。今日は潜水艦についてです!
だいぶ前のことになってしまうのですが、やっぱりかっこ良くて
記録残しておきたかったので今更ですが書いておこうとおもいます。

ハワイ大学のMarine Option Program のイベントで、ハワイ大学とNOAA(アメリカ大気海洋局)の所有する深海調査潜水艦を見に行く機会がありました。
Hawaii Undersea Research Laboratory(HURL) (FBページ)という施設が管理しているもので、-2000mまで行くことができます。この調査潜水艦で、ハワイ島の近くの海中で作られている火山(ロイヒ海山)などの調査が行われています。

Pisces IV かV のどちらか。全体像。

二隻ある調査船のうち片方がありました。

HURL, NOAA, そしてハワイ大学のロゴが見えます。 
前からみたところ。ごっついです。下部の半球部分に、
操縦士2人、研究者1人が入ります。
調査母船から離れて、バッテリー制御で動きます。
これ1度に全部使うそうです。充電も一苦労。
日本製のカメラがついてます。
海底地質採集用のボトル。意外にも、けっこう手作り感があって、
より身近に感じられました。
海底火山の噴出口の熱水が当たって、ケースが溶けてしまったそう。
各配線は、強力な水圧に対応するため、液体(たしかシリコンオイル)の
入ったチューブにまとめられています。

 意外と小さな艇庫。
おまけ: スキューバタンクに空気を入れるコンプレッサー。

調査用潜水艦はとりあえずかっこ良くて、やっぱり深海調査って面白いよなー、なんて改めて思いました。日本もしんかい6500などの調査船をいくつか持っています。

しかし、深海調査はお金がかかるので、常に資金不足に悩まされているとのことです。
HURLは写真の大きさの潜水艦2機と他にもいくつかの小型潜水調査機器を管理していますが、この艇庫で、実際に働いているのは操縦士・技官・広報含め5人だけ。資金難で。調査日数が年減って最近は年間50日程度になってしまい、次世代の操縦士教育も遅れているそうです。なかなか厳しいですね。

最後に、、募金とお土産を兼ねて、ポロシャツを買ってみたのですが、どなたか欲しい方いますか-!? 自分で着るにはちょっと大きすぎたので。

サイズはユニセックスのSです。刺繍が素敵です。もし欲しい人いたら連絡下さいねー。
ではまた! 


Dec 28, 2013

「海の中から見る辺野古」(2009年 YWCA沖縄ニュースレターより再掲)

「海の中から見る辺野古」       

みなさんは、「アオサンゴ」をご存知でしょうか?
アオサンゴというのは鮮やかな青色の骨格を持つとても美しく日本では珍しいサンゴです。2007年の秋に辺野古岬の北、大浦湾で大規模な群落が発見され、調査が行われてきました。
 私は琉球大学の一回生で、海洋科学を専攻しています。昨年の春、沖縄にきてダイビングをはじめ、毎週海に行っています。特にサンゴ礁に興味を持っていて、昨年の9月に行われた大浦湾での調査に参加しました。
 そこで、大浦湾のすばらしい自然について、辺野古について考えたことを伝えさせて頂きたいと思います。

触手をのばしているアオサンゴ
私は、2008年9月21日、沖縄リーフチェック研究会ほか共催による、大浦湾でのサンゴ礁の調査「リーフチェック」に飛び入りで参加させていただきました。初めて訪れた大浦湾は、静かで自然のままのほんとうに美しい海でした。ティーマ漁港から船で南東へ約2kmほど行ったところ、辺野古のキャンプがちょうど向かい側に見えるあたりに、アオサンゴの群落はありました。船をとめ、海へと飛び込んだ瞬間、今まで見たこともないような光景が広がりました。一面に広がるアオサンゴと群がる小さな魚たち。こんなに大きく一面に広がるサンゴを見たのは初めてでした。青色を予想していた私は、実際は茶褐色で木の枝のような凹凸をした形をしているのに驚きました。

しかし、その先端が折れた断面の中心に鮮やかな青い骨格を持っているのでした。1つ1つの枝からでるたくさんの小さな白い羽のような触手がでたりひっこんだり、周りを泳ぎまわる小さな魚と一緒にゆれていました。幅約30m長さ約50mにわたって崖沿いに複雑な地形で広がるアオサンゴのまわりにはクマノミをはじめとするたくさんの魚が見え隠れしてあそんでいました。

さらに驚いたのは、群落の周囲は貝殻や砂、珊瑚の死骸が散らばるガレ場だったことです。その一角だけにサンゴ群落が広がりたくさんの生き物がいたのです。私はその美しさに、ただただ見とれて、いつまでもいつまでもそこにいれたらな、このきれいな海をずっと残しておきたいな、と思いました。
 船へあがり、建設予定の新基地のことを考えて、心が痛くなりました。なぜこの場所につくらなければならないんだろう…と。基地をつくってしまえば、環境は変化しサンゴも魚たちもそして、ジュゴンも大きな影響を受けるでしょう。一度破壊されてしまうと元に戻すことはとても大変です。もう、戻せないかもしれません。
 
 辺野古をはじめとして、沖縄の海の多くが環境破壊の危機にさらされています。一人一人ができることは少ないかもしれません。しかし、まずは周りで何がおこっているのか、知ろうとすることが大切なのではないかと思います。辺野古の沖縄の、海の美しさ素晴らしさを、一人でも多くの人に知っていただけたら、いつまでもそのままに残していけたらな、と願います。
 
(2009年1月)


-----------------------------------

昔書いた記事ですが、再掲します。

沖縄県、辺野古・大浦湾の生物多様性ついては、WWFレポートが詳しいです。

2013年3月にダイビングに行った時の記録はこちら。

政治的・軍事的な情報に関しては、いろいろな立場の人がいろいろなことを言っているのでここには、載せないことにします。


2013年12月27日以降、いろいろと事態が動いていますね。
沖縄には6年住んでいてとても大切に思っているし、基地も身近にあるし、何度も関連した議論には参加しているけれど、こういう時に、いつも「外部者」としてみてしまって、自分の意見が持てないのがいつももどかしいです。
断言して、意思表示するのを避けたいだけかもしれない。
無意識にあきらめているのかもしれない。

今の考えがまとめられたらまた書きたいと思います。

ではまた!